鎌倉の住宅

鎌倉の住宅。
十数回通った住宅の現場が竣工しました。週に一回くらいは行きたかったのですが遠方の為、中々そうもいきませんでしたが、クライアントのご理解とご協力があり無事に出来上がりました。

鎌倉の中でも 古くからの大きな屋敷が建ち並ぶ静かな住宅街の敷地で、既存母家に海外からも来客の多いご夫婦が、ゲストルームとしてのリビングと、仕事部屋を増築したいとご相談頂きこの計画が始まりました。

建物は平家とし、将来隣地に建物が建っても安定的に日照や通風を得られるよう 南側は中庭を設けることから始めました。

建物を設計する時、用途や住む人がどう暮らしたいか、どうすればより機能的に使いやすいものが出来るかに苦心し考えますが、それを含めた上、どんな用途の建物であれ、僕が独りよがりにならず、そこにどんな環境をつくれるかを頭において計画する様にしています。

この計画では3つの庭をつくりたいと思いました。

日の当たる明るい南側の庭には、木製デッキのある動的な印象の庭。
日陰になる北側には、樹木だけの緑の落ち着ついた印象の庭。
西側は、西日を遮る白い壁を設けた静的な坪庭。

それぞれ趣きの違う庭が風景となってリビングを囲み、性格の違う光や風を室内に運んでくれます。
それが季節ごとや1日の中の変化を室内に与える。そういった中で過ごしていく時間が当たり前の日常になる事で、より豊かな生活の日々を送ってもらえないかと思いました。

クライアントはお人柄も素晴らしいご夫婦で、人として教えられる事も多く、設計から工事を通じ、実りある経験をさせて頂きました。